スタンス
福祉・安心いちばん 質と量のバランス
現代社会は、過当な競争によるいわば弱肉強食が横行し、独り占め、早い者勝ちの価値観が蔓延しています。結果、勝ち組、負け組の色分けがなされ、人間関係が希薄化し、孤立無縁社会という悲しい事態を起しています。それが地域や家庭に留まらず、友人同僚関係や親子関係にまで及び、イジメや虐待、ドメスティックバイオレンス等を生んでいます。
加えて、少子長寿社会における厳しい不況の中、就職難や要介護問題、待機児童問題の壁によって「職に就けない人」や「職に戻れない人」がますます増えています。それが税収減を積み重ね財政難を加速化させ、特に京都市においては財政再建団体に転落の危機であり、もしそうなると予算は実質的に国の管理下に置かれ、市会や市長の主体性が失われます。それは、市民の皆さんの意見を直接市政に反映できなくなる、大変なことであります。
今の時代は、量と結果が重視されがちです。しかしながら、福祉や医療そして教育は当然のこと、農業、工業、サービス業は、量も結果も大切ですが、あわせて質と途中経過(過程)も大事であります。地域ボランティアと職業を通じて、要介護世帯、ひとり暮らしの方々、ハンディキャップを背負う方々の苦悩を聞かせて頂いていること。また、奉仕活動を通じて多くの医療関係やものづくり産業に従事されている方々に生の声を聞かせて頂いていること。そして何といっても福祉と教育の現場をお預かりしている立場上、子どもたち・保護者・保育者の皆さんの切実な声を聞かせて頂いていることから、自身の専門性を活かして、現行制度の矛盾点を踏まえ、量と質のバランスがとれた財源の裏付けのある施策を提案し、少しでも多くの市民生活が改善向上される様願うだけでなく、責任をもって実行実現しなければならないと考えています。さらには、先人の方々が積み上げてこられた智慧に学び、たとえ苦難があろうとも、ともに生きあえるために、奉仕の精神と、慈しみの心(思いやり、分かち合い、お互いに支え合う)を持った人間力を養いあう歩みを進めます。
南区に生まれ育ち、住み続けている地域の課題を、市民のひとりとして肌身で感じ、ささやかであっても、みんなが仲良く安心して暮らせる社会を実現するため、柔軟性豊かな新しい感覚と、熱意あふれる行動力で、つながりを大切に、心のかよう優しい市政による『福祉豊かな活力ある人づくり・町づくりの推進』に全力を尽くすことをお誓い申し上げます。